侍ヴァンパイア

異界列車

泣いた事がないんだ


心の底から笑った事もーーー



ただただ、何となく、目の前のガラスに写る自分に目を向けた時だった、、、



一人だけだと思っていた筈の私のベンチだけど



誰か隣に座っている、、、



あれ?こんな人いたっけ?





男の子みたいだけどーーー






年は私と同じくらいかな?
黒髪を少し高い位置で結んでいてーー
一瞬見ただけで、物凄いイケメンだという事はわかった


ガラス越しに、ふっと視線がぶつかるーーー


綺麗な目ーーー


頬に大きな傷痕があって…
でもでも、今時着物って!?
お侍さんみたいーーー



なんかの映画の撮影とかかな?


マジマジ見つめる私に、彼は
少し驚いたように、キョトンとした表情を見せた…




そして、何故だかだんだんと
視線が鋭いモノへとなって、、、


っ!?ガンを飛ばしてきたーーー



睨んでるっ!?
睨まれてるよね私っ!?



こっわーーー!なんか怖いんですけど!!



凝視しすぎたからだ…



失礼な事しちゃったな、
はっと我にかえって、思いっきり地面に視線を落としたーーー



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