東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》

ー椿sideー

征史さんの瞳は初めて唇を奪われた際に見せた獰猛な光を宿していた。



金縛りにあったように身体が動かず、抵抗出来できない。



強引な接吻。



解かれた帯。



彼の硬く厚い胸が私の柔らかな胸を重なった。




彼に身体が侵食され、今まで味わった事のない激しい痛みに打ち震えた。



身体は断末魔の叫びを上げた。




「…俺の思い違いだったようだな・・・」



「…」


疑いは晴れた・・・


彼は私の首筋に唇を寄せ、軽く吸った。


激痛を感じた後の身体に感じた鋭い痛み。


でも、ほんの一瞬で痛みは無くなった。






< 92 / 300 >

この作品をシェア

pagetop