sweet wolf

一匹狼の秘密







あたしの敵はクラスメイトだけだと思っていた。

あたしの態度が気に入らない女子たちが中心になっていじめをしているのかと思った。

だが、廊下へ出たあたしは愕然とした。





「ほら、あの娘だよ」



「大したことないじゃん」




クラスと同様、あたしを指差し噂をする女子の声が聞こえる。

それに混ざり、




「大宮先輩までどうしちまったんだろ?」




男子の声もあたしの耳へと飛び込んでくる。



大宮先輩という単語にピクリとするあたし。


蓮が……

蓮がどうしたの?



だが、その後に聞こえてきたその言葉に、あたしは棒立ちになっていた。



< 123 / 312 >

この作品をシェア

pagetop