Treasure~もう一度、恋~

変わる日常

「へえ。これが最初で最後の有希のインタビュー記事ね」



木村さんが持ってきてくれた雑誌を手に、陽子といつものカフェでランチをする。

写真も小さめのものを掲載してもらった。

これなら、万が一見ることがあっても、気がつかないだろう。




「アンタが取材断ってたのって、居場所がわかるのが嫌だからなんでしょ?」

「…うん、そうなるかなぁ」

「なんでそこまで?あいつなら、陽斗のこと知ったって絶対に迷惑だなんて
 思わなかったはずだよ?」

「だって、時期が悪かったし」

「ああ…映画主演決まった頃だっけ?
 それにしたって…」

「も、陽子ってば。もういいじゃない。昔のことは!」




目の前のパスタをほおばる。

そう

もう、昔のことだ。




取材だって、自意識過剰。

彼が、あたしを探してるわけない。



もう、それぞれが

別の道を歩いてる







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