セカンド・ウエディング～彼の愛は濡れる雨のごとく～

ACT9＊偶然の再会唐突な別れ

～孝典SIDE～

フランス料理店を出て…佳世と別れた。




その刹那、一人の男性が俺に近づいて来る。



「貴方が藤ヶ谷孝典さんですね」



「君は？」




「…俺は藤ヶ谷郁弥(ﾌｼﾞｶﾞﾔｲｸﾔ）と申します。『ブラックベリー』の藤ヶ谷留維社長の秘書をしております」



「留維さんの秘書？」



俺と同じ苗字…


藤ヶ谷郁弥って…初めて訊く名前だ。




「君も藤ヶ谷一族なのか？」



「俺は養子です…社長がハイヤーで貴方をお待ちしております…一緒に来てください」




「しかし…」



父さんの件があり、藤ヶ谷一族とは交際を絶っていた。

でも、何かと留維さんは俺に接触して来た。　


それでも俺は拒み続け…

会うのは１０年振りだったーーー・・・