アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

♯ 苦しくて…悲しくて…


翌日の夕方―――――


お客様とブーケの相談をして、お店に戻ると専務に呼び止められた


「お帰り、古宮くん、ちょっといいかね」


「はい、なんでしょう?」


あれ? 入口にいるの藤井くん?
彼の存在が気になりながら、専務の話を聞いていた
専務から、トラブルの内容を聞いて
待っていた藤井くんに駆け寄った


「藤井くん、専務から話は聞いたわ
トラブルになる前に予約状況、私も確認させてくれる?」


藤井くんの顔を見て、昨日のことが頭を掠めるけど
いまは、仕事中…
仕事モードの私で接しなきゃ…


「はい、では、これから一緒に会社まで来て下さい」


「えぇ」


藤井くんの後ろについて
店の外に出て駐車場へ向かった



駐車場に停めてあった藤井くんの車の助手席に乗り込み
専務から預かった顧客の資料を眺める


資料と、お客様からかかってきた電話に対応してたから
てっきり、藤井くんの会社に向かっていたと信じ込んでいた


30分ほど走っただろうか、まわりの景色が見覚えがない…
と、思ったら、視界が薄暗くなり
地下駐車場?へと車が入っていった


「……藤井…く…ん、ココ、どこ…?」


資料を持っていた手に、力がこもった


「あぁ、
ちょっと先に寄りたいところがあったので、
寄らせてもらいました

彩月さんも、一緒に来て下さい…」


「う、うん…」


助手席から車を降り、
藤井くんの後を、ゆっくりとついていく


エレベーターに乗り込みボタンを押した
藤井くんの斜め後ろにいた私は
不安いっぱいで、立っているのが精いっぱいだったから
鋭い視線を藤井くんの背中に送っていた





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