滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

運命という名の悪戯


十二月。


聖なる夜が徐々に近づくにつれ、
世間もすっかりクリスマスモードに染まり始める。




要約ケーキは完成し早速予約を始めると、
想像していた以上の反響で、事前にネットやチラシ等で大々的に宣伝していた結果が功を制した形となった。








「ありがとうございました〜」


扉についたリースの鈴が甲高い音と共に揺れる。



日曜日は相変わらずの人混み。

皆冷たい北風に身を縮めながら街の中を歩いていて、
私も美容院から出るやいなやマフラーを巻いて早速寒さ対策した。




肩から少し伸びた髪をボブまでさっぱり切って、
気分転換に軽くゆるやかパーマをかけた。


髪も久しぶりに明るめのブラウンベージュに染めた。






何か自分の中で特別な心境があったとかではないが、


たまには気分転換にイメージを変えて見ては?と美容師の言葉に乗っかってみたかったのだ。

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