Rhapsody in Love 〜約束の場所〜

6 文化祭での衝撃





 後期の補習は、相変わらず勉強に前向きでない3年1組の面々に、全県模試の演習をしたのだが、暑い中での補習ということで、やはりやる気はなかった。


――こんなんじゃ、今度の全県模試はヤバいなぁ……。


 みのりは、ため息を吐きながら職員室への階段を降りた。

 もともと歴史に興味のない者に、意欲を持たせるのは至難の業だ。その点、遼太郎は興味があるのかどうか判らないが、よくやってくれてると思う。


 とはいえ、後期の補習は今日で最終日。
 午後からは本格的な文化祭の準備が始まり、教室は大改造される。明日1日は準備に当てられ、明後日から2日間文化祭は行われる。

 そして、9月になるので、夏休みも終わる。


「仲松ねえさん、一緒に準備をお願いします!」


 古庄に頼まれ、みのりは古庄と共に1年5組の教室へ行き、「暗闇迷路」作りを手伝った。


 机を3段ほど積み上げて迷路を作り、それに段ボールを貼っていく。段ボールも真っ黒に塗られていて、暗幕を張り照明を落とすと、本当に暗闇になりそうだ。

 体操服に着替えた生徒たちは、和気あいあいと作業を進めていく。


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