世界一幸せな国Ⅰ

ローナ、今喋ったね!

「ローナ!」

そろそろ、こう呼ばれることにも慣れてきた。


私たち、ローナとユアンはいつも一緒にいる。


産まれてすぐは、授乳とか、オムツとか、恥ずかしいことが多かったけど、今はもう、離乳食辺りなら、食べられる。

もちろん、ユアンも。





私たちは、二週間位前に、立てるようになった。


どれだけ発育が早いのか、今では歩ける。

自分で動き回れるって、なんて幸せなんだ……!



自由に動き回れる幸せを知った私とユアンはよく遊ぶようになった。






(つ、着いた……)




この洋館は、とても広い。

この体で家の中を動き回ると、すぐに疲れてしまう。



しかし、ここは最近お気に入りの読書室。


この世界の情報を得ているのだ。


そのためなら、疲れたって構わない。


神様のオプションなのか、私もユアンも、字の読み書きには困らないため、情報を得るのに持ってこいだ。



バーバラたちはきっと、ただ絵を見ているだけだと思っているだろう。


でも……


私達はもう大体のことは分かってしまったのだ。
< 75 / 256 >

この作品をシェア

pagetop