月影

4

スタッフとの打ち合わせを終えて、時計を見ると、すでに深夜の0時を回っていた。

「あちゃー…もうこんな時間かぁ」

玲子はポリポリと頭をかいた。
小さくため息をつくと、会議室を後にした。

「ね、今度遊びに行きませんか?」

暫く廊下を歩いた所で、ふと、若い女の子の声がした。
ちょうど曲がり角に差し掛かったところで、女の子が誰かを遊びに誘っていたようで、玲子は慌てて身を隠した。


…いつもなら気にはしないけど、相手が小太郎なら、話は別よね。


帰ろうと思い、彼を探していたのだが、ちょうど誘われていたのが彼だったので、邪魔をしてはいけないと思ったのだ。
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