臆病者のシーソーゲーム(仮)

魔法となるのです















私達は中学が同じで…


3年の時に同じクラスだった。











奴の存在は知っていた。

皆が噂していて、
友達内での悠は知らなかったけど、行事になれば皆の中心に居るのが悠だと知った。


廊下をすれ違う時、
一緒に行動する友達や廊下にいる子たちの目線が悠で、

『須藤君が誰と付き合いだした』だの、

『須藤君が何の委員会に入った』だの、

『須藤君がまた告白されてた』だの…


女子はそんな情報交換ばかり楽しんでいた。






そんな悠と1・2年はクラスが離れていたのに、
3年になって同じクラスになり、

悠と同じクラスってだけで、友達から羨ましがられた。




しかし、同じクラスになったからと、

私と悠が仲良くなるわけでは無い。


元々、皆の中心にいてワイワイしている悠と、
自分の心許す少人数の子と楽しく過ごす私。


席も近い訳でもないし、委員会や係りが同じ訳でもない私たちは、
話す事すらなかった。

多分、朝に『おはよう』すら言った事無かったと思う。


 
< 47 / 91 >

この作品をシェア

pagetop