Kissから始めよう

梶課長はお酒を飲んでなかったようだった。

課長の車に乗せられウチまで送ってもらうことになったのだ。


「すみません。」

「いや、いいよ。帰るいいキッカケになったし。」

車をスムーズに走らせ街中を抜けて行く。
黒のセダンは彼らしいセンスだった。
車内は課長の香水だろうか。
ムスクのような香りがしていた。


「お酒、弱いんだね。強いのかと思ってた。」

「全然です。慣れもないし・・・好きじゃないんです。」

そう言うと再び目を閉じた。


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