さみしがりやのホットミルク
#1.居場所をあげる
「不良くん、食べてかない?」
ギシ、と、からだの中から嫌な音がした。
──あ。やばいこれ、どっか骨イったかな。
どこか客観的にそう考えながら、腹にパンチをくらったその勢いで、そのまま背中から地面に倒れ込む。
俺を殴った相手も、かろうじて立ってはいるものの、肩で息をしながら顔面血まみれになっていて。
さっき綺麗に決まった俺のストレートが効いたのか、鼻が変な形にひん曲がっていた。
「ッくそ、覚えてろよ……!」
そんな陳腐な捨て台詞を残し、その男はふらふら覚束無い足取りで、どこかへ去って行った。
ハッ、いきなり因縁つけて絡んできた他校の奴のことなんて、いちいち覚えてられっかよ。
つーか俺、てめぇの名前すら知らねぇし。
そうは思うものの、自分の口から漏れ出るのは、小さなうめき声だけで。
どうやら口の中が切れているらしく、広がる鉄の味がひどく不愉快だ。
ふと上に目を向けると、だだっぴろい初夏の青空に、ぽっかりと白い雲が浮かんでいて。
腫れたまぶたを刺激するその日差しに、少しだけ、目を細めると。
──あ。やばいこれ、どっか骨イったかな。
どこか客観的にそう考えながら、腹にパンチをくらったその勢いで、そのまま背中から地面に倒れ込む。
俺を殴った相手も、かろうじて立ってはいるものの、肩で息をしながら顔面血まみれになっていて。
さっき綺麗に決まった俺のストレートが効いたのか、鼻が変な形にひん曲がっていた。
「ッくそ、覚えてろよ……!」
そんな陳腐な捨て台詞を残し、その男はふらふら覚束無い足取りで、どこかへ去って行った。
ハッ、いきなり因縁つけて絡んできた他校の奴のことなんて、いちいち覚えてられっかよ。
つーか俺、てめぇの名前すら知らねぇし。
そうは思うものの、自分の口から漏れ出るのは、小さなうめき声だけで。
どうやら口の中が切れているらしく、広がる鉄の味がひどく不愉快だ。
ふと上に目を向けると、だだっぴろい初夏の青空に、ぽっかりと白い雲が浮かんでいて。
腫れたまぶたを刺激するその日差しに、少しだけ、目を細めると。