私は男を見る目がないらしい。

*明かされた秘密 「……頼むから、信じてよ」

 



朔太郎がキッチンに立っている間に、私はトイレに行き、リビングのソファに移動した。

はぁ、と息をついて、ソファに寄り掛かる。

お腹は痛くなくなったけど、やっぱりだるいのは変わらない。

キッチンから聞こえてくる音に安心感を覚えながら目を閉じようとしたその時、ローテーブルの下に無造作に置かれた雑誌が目に入ってきた。

朔太郎がよく読んでいる普通のファッション誌。

でも、何か違和感を感じて、いつもは見ないそれに私は手を伸ばし、持ち上げた。


「……あっ、美桜っ!?」

「へ?」


朔太郎の声が聞こえてきたかと思えば、バサッと床に紙の束が落ちる音がした。

雑誌の間に挟まっていたようだ。

何だろう?と手に取って見てみると。


「……履歴書?」

そこにあるのは何も書かれていない履歴書だった。

何で履歴書なんてものがあるんだろうか?

 
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