お姫様と若頭様。【完】

Take4


【宗志side】



誰もが彼女の姿に見惚れている。





はっきり言って計画なんて
立てる必要ない。



どうせ俺らが立てる前に
彼女が終わらせてしまうのだから。


頭の中で一応構想だけはしつつも
具体的なものは決めない。



彩狼の奴らも呆然としてて
計画やら何やらは立てられない。



総長と副総長は手伝うとか言ってたのに
結局入ったら足手まといだ。



そう本人達も思ってか、
参戦しようとはしない。







いつも思うが
あいつはとても綺麗に戦う。




どんな時でも仲間のために
誰よりも前で戦う姿はかっこいい。



まぁあいつは強すぎるから
最近は仲間に止められて
全く喧嘩に出れていなかったのだが。





だから彼女が戦う姿を見るのは
凄く久しぶりだ。





こんな感動を受けたのは聡さん以来だ。



まぁ実際、
聡さんよりも彼女の方が上だ。




それでもどちらも俺に取っては魅力的で
皆の目標だ。






そんな皆の気持ちに気づかない彼女は
自分の凄さを理解していない。




いつも完璧を求める彼女は
まだまだだと思っているに違いない。






でももっと周りを見てみろよ。




こんなにもたくさん、
お前に見惚れてる奴がいるんだぜ?







最初お前に会った時、
お前には一生勝てないって、


当時負け知らずだった俺が思ったんだ。




それは紅蓮の皆も同じだ。






だからこそお前について行くんだ。









一歩でもお前に近づけるように。










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