ナンパ男との恋~最終章~

2人の時間

「いってらっしゃい」

「あぁ」

「「てるちゃん、いってらっしゃい」」

「あぁ、あんま
ケンカばっかすんなよ」


「「はぁい」」


そんな、いつもの朝・・・

私の不安は消えないけれど
何も考えないように
輝樹を送り出し・・・


「かーたん、暇だから
お外行こうよ?」


土曜日で幼稚園が休みの
広樹は家の中では暴れ足りないのか
私の元へ来て
お出かけアピールが始まった。


「ヤダよ。おうちで
テレビ観ようよ」


お外が好きじゃない春樹にとっては
今、この暇な時間が好きらしく

本当に正反対の2人のケンカに

朝から大きくため息がこぼれる。




・・・けれど、

そんな朝に


ピンポーンっ



「かーたん、誰かきたよ?」

座ったまま不安そうな表情の
人見知りの春樹とは反対に


「俺出てくるっ!!」


「ちょ、広樹ってばっ」


私の言う事なんて
全然耳に入らない広樹は
玄関へと駆けて
勢い良く扉を開けた。








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