君はガラスの靴を置いていく

└名前で呼んで




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『ねぇ、なんで夏休みに宿題なんてあるの?これって最早遊ばせない為じゃない?』



今日はまるがうちに遊びに来た。エアコンがない俺の部屋は扇風機が2台稼働している。


『つーか俺と一緒にやるのが間違いじゃね?』


俺は課題の用紙をうちわ代わりにあおいだ。
一応用意したシャーペンは一文字も動いていない。


『俺はお前と違って最初に終わらせたいんだよ。
だってその後、何も気にせず遊べるじゃん』


まるはそう言って、暑い中頭を抱えている。

言ってる事は分かるけど頭悪い二人がやっても絶対進まないだろ。さっきから同じ問題で止まってるし



『じゃぁ、千花呼ぶ?』


俺の知ってる人で頭が良いのはおそらく千花ぐらい。そう言えば勉強教えてもらう約束してたし。



『え、え?糸井さん?呼ぶってここに?』


『他にどこへ呼ぶんだよ?』


まるが一人で慌ててる中、俺は千花に電話をかけた。来てくれるか分かんないけど二人きりじゃなければ家でも抵抗ないだろうし。



-----------プルルル……プルルル……。


千花はなかなか電話に出ない。もしかして出掛けてるとか?


それにしてもなんでまるは俺の部屋を片し始めてんの?エロ本とか隠してくれてるのは有り難いけどさ。




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