プリンセス☆ロード

第4話 『ええ。血相変えて飛び出していきましたからね』





「わぁ!」






ミナトが教えてくれた抜け道を使って城下に降りた私たち。
そこはとてもすてきな町だった。


人々はとても明るくて笑顔に溢れてて、あちこちで見たことのない食べ物が売られている。
建物はすべてレンガ造りか木造で、私が見慣れているコンクリートの建物も背の高いビルも何もない。
本当に、おとぎ話の世界に来たみたいだ。






はしゃぐ私を見守りながら、ミナトは落ち着きなく辺りを見渡していた。
そんなこと、私は気づいていなかったけれど。
でも、少しだけなんだか気を張っているように見えた。








「うわー!すごい!すてきな町ね」

「お嬢ちゃん、嬉しいことを言ってくれるねぇ」






私の言葉に嬉しそうに答えてくれたのは、おいしそうな香り漂う店の店主のおじさん。







「お嬢ちゃんは、よそから来たのかい?」

「あ、えと、そうです。ずっと遠いところから」

「そうかい。じゃあ、ぜひ満喫していっておくれ。この町はとてもいいところさ」

「はい。みんな、明るくて、とても楽しそう」

「それは、そうさ。それも、すべてこの国の王様のおかげ。王様がこの国をお守りくださっているおかげなのさ」

「王様…」







すごく、慕われていることがわかる。
幸せそうな笑顔も、明るい雰囲気も、それを王様のおかげだという。
愛されてる王様なんだと、伝わってくる。
私も、会って話して、王様の優しさや威厳に触れた。
その凄さは、バカな私にでもわかる気がした。






ああ、私、また心ないことを言ってしまった。
王様の事も、ミナトたちの事も信用してない、なんて。






私、何度後悔したら気が済むんだろう。








< 46 / 469 >

この作品をシェア

pagetop