あなたを愛する者
6. 先輩
学校から駅までは20分位の距離。
待ち合わせの時間を随分オーバーして、私は駅前の店に着いた。
3階建てのどのフロアにも、うちの学校の生徒が溢れている。
話したことはないが、同じ学年の生徒の顔も見える。
急いで駆け上がり、3階に着いた。
「杏、こっちこっちー!
もう、遅いよぅー!」
「ごめんね……」
息を切らしながら、4人掛けの空いている席に座る。
そこにはミカと、彼のリク先輩、そして……。
「杏ちゃん、大丈夫?」
まだ息が荒い私に、リク先輩が声を掛けてきた。
この日のために、予定を空けてくれたという。
「はい、大丈夫です」