あなたを愛する者

6. 先輩


学校から駅までは20分位の距離。




待ち合わせの時間を随分オーバーして、私は駅前の店に着いた。





3階建てのどのフロアにも、うちの学校の生徒が溢れている。



話したことはないが、同じ学年の生徒の顔も見える。





急いで駆け上がり、3階に着いた。








「杏、こっちこっちー!
もう、遅いよぅー!」




「ごめんね……」





息を切らしながら、4人掛けの空いている席に座る。






そこにはミカと、彼のリク先輩、そして……。







「杏ちゃん、大丈夫?」





まだ息が荒い私に、リク先輩が声を掛けてきた。



この日のために、予定を空けてくれたという。






「はい、大丈夫です」




< 51 / 242 >

この作品をシェア

pagetop