センセイの好きなもの

♢おつかい

巧先生は新規の離婚調停が控えているから、その資料作りに追われているし、その他にも遺産相続やら自己破産やら重たい案件が重なっているらしい。



吉川先生は初めて遺言状の作成に挑んで頭を抱えているし(大先生がたくさんアドバイスをしている)、交通事故を起こしてしまった年配の男性の弁護を受け持つことになった。
弁護士になって3度目の大きな裁判だという。


そして大先生はというと顧問弁護が主なので、あくせく働く若手にエールを送りつつ、新規のクライアントが来たときのために事務所で待機をしている。



「いやー、2人とも頑張って働くね。巧はまあ頑張ってもらわないと、一応ここの跡継ぎだし、僕が隠居出来ないから困るけどさ」


大先生はハハハと笑いながら観葉植物に水をあげている。
どんな名前なのか知らないけど、鉢を入れても私の背丈くらいある大きなもの。
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