sound village
宣戦布告 **side 柏木
さて…ようやく、子羊…いや
人生初の上司を腕のなかに
囲いこんだがーーー
あ。上司を抱きしめたら
あかんよな。普通は。
でも、俺、そういうの
気にしないタイプやから(笑)
上司としても尊敬できる人やし
女の子としても、俺にとっては
この人は極上なんで
…いただきます。
今の部署に配属してくれた
人事部に感謝やなーーー
等と、思いながら
書棚に体を近づけ、腕の中の
獲物を追い詰める。
感情を漏れなく噴出するタイプの
上司は、脳内パニックなんが
ひしひしと伝わってきて、
何か、流石に可哀想に思う。
「レンちゃん。エセ弁護士
また電話かかってたで。
それを、知らせにきてんけどな。」
今度は首筋に向かって
息がかかるよう囁く。
明らかに、腕の中の女が
ビクッと反応した。
可愛い反応するやん
俺って、つくづく悪人風情(笑)
この人の中では、恐らく
魔王か天敵くらいの位置付けやと
思うけどーーーー
その位、特別に思てくれ。
あの2人より、記憶に
残っててくれたらいい。