センセイの好きなもの

♢勇気

週末、仕事が終わってから私は巧先生に連れられて、巧先生の実家にやってきた。
今は大先生が一人で住んでいる。



事務所から車で30分も行くと閑静な住宅街が広がる。
その一角に巧先生の実家があった。

一戸建ての家は白い門と壁で全体的に洋風の作り。広い庭もあって、色とりどりの花がいくつもプランターに植えられていた。

リビングには家族写真が飾られていて、巧先生が子どもの頃のものもあった。



「それで話って何なの」



大先生は今日は出先から直帰していて、私がお邪魔したときにはすっかりくつろいでいた。
白いワイシャツとベージュのチノパン。大先生はいつだってダンディなんだ。


ここのソファはふわふわしていて、でも体が沈まなくて座り心地がいい。



「ツムの母親のこと。ちょっと前にツムから全部聞いた。親父も水くせえじゃねーか。ツムもそうだけど、何も知らないままだったら何かあっても助けてやることも出来ない。親父がいつも事務所にいるわけじゃないんだからな」
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