祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

2・星に願いを

翌朝。

窓から差し込む日の光が眩しくて目を覚ましたキヨ。



薄く目を開けると、見慣れない部屋が映った。


不審に思い辺りを見渡すと、隣りに全裸のイノリが眠っていた。




「ぎゃああああ!!!!」



家中に響くキヨの悲鳴を聞きつけ、ケンとカンナがイノリの部屋に駆け付けた。




「何よ!?今の悲鳴!!」

「キヨ!!どうしたの!?」



2人がキヨを見るとキヨは真っ赤になりながらイノリを指差した。




「イノリ…!?てめっ!キヨに何したんだよ!?」



何となく状況を察したケンは、キヨの隣りで眠るイノリの肩を掴み揺さぶる。




「ん〜何だよ。朝っぱらから…」

「何だよ、じゃねぇ!お前何で裸でキヨと寝てんだよ!!キヨに何かしてねぇだろうな!?」



イノリは眠そうに片目を開くと、息を荒らしたケンを見る。


ゆっくりと視線をキヨに移したイノリは目を擦りながら呟いた。




「キヨとなんかする気も起きねぇよ。色気のかけらもねぇし……」


「何ですって!私だってイノリみたいな○△□×野郎なんてお断りよ!!」


「はぁ!?言ったな!このクソチビ女が!!」




枕や毛布を投げ合う2人をケンとカンナが呆れて見ていると、部屋の前をカゼが通りかかった。




「………うん。仲良し。いいね」



カゼはそれだけ言うとシャワーを浴びに風呂に入っていった。
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