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 (9)紙の感触

朝は例のごとく、離れたくなさそうにハルが甘えてきて、僕がそれに応えていつまでもベタベタしていたから、ハルは遅れちゃうと言って焦って出かけて行った。

そしてさすがに、夜中に起こさないでほしいとお願いされてしまった。

そうだよね。

わかってるんだけどね。

思えばハルと再会して、ハルを手に入れたいと思ってから、僕は全然冷静になれていない。

結果的にハルを手に入れたからいいけれど。

今考えると、もっと有効な対処法があったなと思う場面がたくさんある。

いつまでもこのままバカになっているわけにもいかない。

僕もそろそろ、落ち着かないと。

午前中でハルの仕事が終わったら、ハルの家に行って元彼がいたら追い出すし、いなかったら荷物をまとめることにしていた。

でも、元彼は絶対にいないと思う。

ハルの荷物が届く前に、少し片付けよう。

僕はハルが仕事に行っている間にクローゼットを1つ空けて、そこをハルに使ってもらうことにした。
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