ビター・スウィート

キラキラ





大阪出張から戻り、代休を貰い、それからやってきたいつも通りの日常。

仕事の合間、見つめた右手には今日もきらりと光るブレスレット。留め具の少しいびつな痕、それは彼が直してくれた証。



「それ、つけてくれてるんだね」

「わっ!?」



フロアの片隅でパソコンに向かい合っていると、突然声をかけてきたのは、広瀬先輩。

いつの間にいたのか、先輩は今日もにこやかな笑顔でこちらへと近付いてきた。



「大阪お疲れ様。お土産内海から受け取ったよ、ありがとね」

「いえ、大した物じゃないですけど……」



それは、大阪出張の帰りに買ってきた、お土産のお菓子ことを指しているのだろう。二人からということで内海さんから渡して貰ったお土産に、わざわざお礼を言いにきてくれたらしい。



「そういえば向こうで迷子になったんだって?内海から電話きてびっくりしたよー」

「えっ!?あっ……」



そういえば私がはぐれた時、内海さん広瀬先輩から番号聞いたって言っていたっけ……。

この歳で迷子になったなんて……は、恥ずかしい!


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