今夜、君とBloodyKiss

始まりの鐘



時計台の下。壁に背を預け、腕時計を確認し、ため息をつく。そんな彼を見ながら走り寄るのは何時もの事だ。


「ごめん、お待たせ。」

「ん、じゃあ…いこっか。」


約束の10分過ぎ。杏里の遅刻は何時もの事で、慣れてしまった結は何も言わない。毎回悪いと思うのだが、何故か遅れてしまう。
罪悪感を抱えながら、先を行く結とはぐれないように後を追いかけた。




「さて、好きなのを選ぶが良い!」


やって来たのは、とあるショップ。目的は結の誕生日プレゼントだ。去年の誕生日にプロテインをあげてから、結が毎回プレゼント事になると付き合ってくれるようになった。
個人的にプレゼントを選ぶのが苦手だから大いに助かってるし、結の選ぶものはセンスがいい。ほぼ100%喜ばれる。

そんな結のプレゼントなので、結の欲しい物をあげようと考えたのだ。


「いいのあったら、なんでも言ってね!」


どーん!と胸を張る杏里に、結はクスクス笑いながら頷いた。


「分かった、ありがとう」


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