青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
◆第四章
気になるのは恋心
ーービビビビ………
枕元で、目覚まし時計がうるさいほど鳴っている。
朝の日差しが、昨晩しめ忘れたカーテンの隙間から、眩しく光った。
俺は目を開けて、昨日泣きまくったせいで痛む頭を起こす。
…六時、半。
「………あ」
時間を確認したところで、ハッとした。
…そういえば今日から、夏休みだっけ。
学校、ないんじゃん。
「……あー…だりい」
いつも通りの時間に起きて、損した。
昨日は昼過ぎからずっと、屋上で利乃ちゃんと過ごしてたから。
…彼女の背中に、寄りかかって。
情けないほど、声を殺して泣いた。
涙が引いてからも、ぼうっとする俺に何も言わず、利乃ちゃんはそこにいてくれた。
思い出すと、結構恥ずかしい。
それからふたりで帰ったけど、彼女は当たり障りのない話題で、明るく話し続けてくれた。