Fake love(1)～社長とヒミツの結婚契約書～

―紗耶香side－

瀬川は勘がいい男。私の嘘なんて簡単に見破ってしまうのに。


私は嘘を重ねてしまう。


ずっと、貴方しか見ていないし、あなた以外の男など眼中にない。でも、貴方が結婚して誰かのモノになれば、二度と私のモノにはならなくなるし、この恋は完全に終わってしまう。

それが辛かった。


「紗耶香お嬢様の本当のキモチは当てましょうか？本当は俺がスキでスキで堪らないんでしょ？」



「瀬川…」


「違いますか？」


瀬川の右手が私の腰を抱き寄せる。



「離して…瀬川…人を呼びますよ・・・」


「高嶺の花。俺にとって紗耶香お嬢様は高嶺の花です。貴方の恋人だと言われ、俺の心は嬉しかった。俺も貴方の恋人にずっとなりたかったから・・・」




「瀬川…貴方は何を言ってるの？」