冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う





「瑠依には悪いと思っているんだよ」

「そう思うのなら、今すぐこの話はなかったことにしてよ。自分の結婚相手くらい、自分で見つけるから」

「そんなこと言わずに、じいちゃんのお願いを聞いてくれよ。な、頼むから。あ、瑠依が欲しい靴を全色一気に買ってやるぞ。なんならそれに合わせた服やカバンもつけてやる。だから、頼むよ」

「そんな甘えた声を出してもだめ。それに、靴なら去年の誕生日に一生かかっても履きこなせない量の靴を買ってきたでしょ?」

「んー、そうだったっかな?女の子の好みそうなデザインがわからなくて、目につくもの全部を買ったんだけどなあ。履きこなせないってことは、気に入るものがなかったってことか?
瑠依はおしゃれさんだからな、服も靴も見る目が厳しくて困るよ」

「違うから。量が多くて履けないの。私の足は二本だけなんだから、何十足もプレゼントされても履けないって言ってるの」

「なーんだ、そうなのか。ま、気長にゆっくり履いてくれ」

にっこりと笑い、手元のお茶をのんびりと飲む目の前のおじい様。

私の言葉に耳を貸す風を装いつつ、結局は自分の思いをぐっと私に押し付ける。



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