二人は甘い初恋関係

友達でいてもいいの…?

「小春川のおかげで、古典の文法…かなり理解出来たよ。サンキューな。」


「こ、こちらこそ…ありがとう。水城君の教え方、すごく上手くて、とても分かりやすかった…。」


お互いにお礼を言い合う。


図書室も、私たち以外…利用している生徒はいなくなっていた。


「勉強も終わったことだし、そろそろ帰るか。」


「うん、そうだね…。」


バッグにテキスト類をしまい込む。


「それじゃあ、またね…水城君。」


お辞儀をした私はバッグを持って、図書室の出入り口へと足早に向かっていた時だった。


「あ、小春川!」


不意に呼び止められて振り向くと、水城君は私のところに足早に近付いてくる。


「ど、どうしたの…?」


不思議に思って首を傾げると、水城君は柔らかい笑顔を浮かべた。


「暗くなってきたし、家まで送る。」





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