狙われし姫巫女と半妖の守護者

秘められし過去



*・*・*・*・*

遠い先の空のまん中で、太陽がまっ赤な目をして泣いていた。

空までオレンジ色に焼きつくすほど、それはとても悲しげに。

なんで、夕暮れの太陽はこんなに切ないのだろう。

視線を移せば、刻々とセピア色に染まっていく、ちょっぴり馴染みの薄い帰り道の風景。

ひとりきりの影。

真央の影がない。

あの笑顔がない……。

どれもこれもさみしく見えて仕方ない。

太陽をじっと見つめてしまった瞳に、強い光の残像がチカチカと居座った。

私はツンと痛くなった鼻をひとすすりすると、カバンを肩にかけ直して歩きだす。

宿題のない教科のものは置いてきたというのに、重みがずっしりと肩にのしかかっていた。

真央を突き放した日から、早数日。


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