カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~

莉那side-

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「サンプル1は、抗酸化作用のある梅エキス配合の化粧水。サンプル2はトマトに含まれるリコピンを配合。リコピンには、肌のくすみの原因とされるメラニン生成を促す活性酵素を抑制する成分がある。サンプル3は乳清配合の化粧水だ。お肌にみずみずしい潤いを与え、しなやかに保つ保湿性は抜群だ。3種類に共通するのはコラーゲンとヒアルロン酸だ。莉那、女性から見て、どれが我が社の主力製品になると思う?」



「どれも魅力的だけど…化粧品業界は戦国時代よ」


「それはわかってるよ・・・」


不景気であっても、化粧をしない女性は居ない。

ヒット商品となり得るモノを作るにはまずは女性のハートを掴むコトが大切。


「お前、モニターとなって順番に使用してみてくれないか?」


「そう言われても…私は敏感肌だし」


「カラダも敏感だけど、肌も敏感なのか…今はどこの化粧品を使用してる?」


「あ、これ・・・」


私はバックに忍ばせたトライアル用の化粧ポーチを取り出す。



「『星凜堂』か・・・」



「一目で分かるとはさすがは逸希」


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