Witch and Vampire ―恋物語―
二章
変化
ソラが初めて学校に行った日から二週間が過ぎた。
初日。ソラがやってくれと頼んだコーティングは面白いものだった。
テラに聞いたところ、透明の液体を体の隅々までかけるというものだった。
少しでもかけていない部分があると効果がないため、他の召し使いにも手伝ってもらうように命じたのだが、俺はそのときの様子を知らない。
まぁ、当たり前と言ったらそうだが。
ソラいわく、他の人に肌を触られるというものは、とてもくすぐったいものだったらしい。
しかも、ソラはその時召し使い達に相当羨ましがられたらしい。
「肌白いですね。」
「いいなぁ。すべすべで。」
「え!意外に胸大きい!」
「髪の毛サラサラー!」
などと言われたらしいのだが、俺に報告されても困る。
その時ちょうど食事中だったので、危うく飲んでいたスープを吹き出すところだった。
ソラから学校の話も聞いた。
敷地内を回ったこと、道に迷ったとき助けてくれた人がいたこと、本を保管している広い部屋があるということ。
今後の行事や、新級制度についても聞いた。
まだ友達はいないが、特に問題もないらしい。
「お花がとってもきれいなんだ!」
と嬉しそうに話してくれた。
授業についてもなにも問題はないという。
「明日からは俺が一緒に行くからな。」
するとソラは顔を輝かせて大きくうなずいた。