カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~

逸希side-

沢木部長の胃癌は初期で、内視鏡下による癌の表層部分の切除手術を受けた。

出血のトラブルに見舞われ、2週間の入院を経て退院。

今は自宅で療養していた。


「以上が俺の報告です」


沢木部長の代行で『新規事業部』の責任者を任された俺。


無事に『ファッションショー』を終え、沢木部長の自宅に行って業務の経過報告をした。


「ありがとう」


「これが詳しい報告書です」


俺は沢木部長に報告書を渡す。


「若い女の子達にカリスマ的な人気を誇るモデルのサキに我が社のサンプリングを渡すとは…それだけでも上出来だ。俺以上の働きをしたな。遊佐課長」


「友人のムーン・KATOのおかげです」


「君は良き友人を持ったな…」


「来年1月に基礎化粧品を発売。4月を目処にムーン・KATOのプロデュースによるコスメの販売を目指しています」


「そうか・・・」


「沢木部長の意見も訊かず、色々と勝手に決めてしまい、申し訳有りません」


「構わない。俺も来週から復帰する。しかし、カラダの調子は万全とは言えない。引き続き、遊佐課長君に俺の代行を頼む」


「沢木部長!?」


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