Le Petit Princesse

出会い

少年の真上から星が少し移動した頃、前方から一人の少女が歩いてきた。



お互い歩いていたが、すれ違うことなく歩みを止めた。




「…君、どこから来たの?」



「…あなたも人間なの?」


質問を質問で返していて、会話が成り立たないようだ。





「どこから来たの?」



だが少年は質問を諦める事はなかった。

真っ暗な中でも、月明かりの僅かな光が彼の綺麗な目鼻立ちと長い睫毛を映し出していた。







「私は気がついたらここにいたの。どこから来たのかしら…」






時間を置いて、彼女はそう答えた。
< 3 / 94 >

この作品をシェア

pagetop