3つ星物語

クールミントの香り

伊津くんとは私が中学2年の時に同じクラスになった。
 
新学期、私はあたらしい教室であいうえお順に決められた席に座って、チューイングガムを膨らませていたところに、彼は妙に馴れ馴れしく話しかけてきたのだった。
 
聞けば、1年の時に紗生と同じクラスだったみたいで、私と伊津くんはポンポンと話が弾んだ。
 
古瀬さんって、双子だったんだねって言われて、いや、3つ子ですと返したのを覚えている。
 
見た目は同じなのに、醸す雰囲気は全然別ものだねって言われたのも覚えている。
 
そのやわらかな物腰に童顔、おまけに成長が遅くて男の子にしては背は高くない方だったのも昨日のことのように覚えている。
 
私は一瞬で彼を好んでしまっていたのだ。
 
それを恋と呼んでいいものか解らなかったけれど、私は1年間、クラスメイトとしてつかず離れずの距離で接していた。
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