あなたの優しさが…

忘れ日


一緒に住むようになり3日がたった。


雅樹は毎日朝と晩は私が作った料理を食べてくれる。


仕事が終わると、真っ直ぐ帰ってきて
抱きしめてくれる。


寝る時は同じベッドで、抱きしめられながら寝る。


けど、雅樹は私を抱かない。
雅樹に聞けなかった。
いや…聞きたくなかった。

身体を売っていた私は
どうしても罪悪感があった。

こんな身体、抱かれていいわけがない。


そして、今の生活、今の幸せを
壊したくなかったから…。




雅樹が家を出るとき
「今日は散歩でも行こうかな」
私の予定を軽く伝えた。


大東さんとアパートへ行ってから外出はしていない。

雅樹は外に出た方がいいと、賛成してくれたが、必ず携帯を持つようにと言われた。


過保護だ。クスクス笑いながら返事をして、見送った。
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