年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

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どこでもいいよ、と言ったのに、大輔くんが選んだのは近所の安いラーメン屋だった。

めちゃめちゃ大盛りが売りの店で、店内にいるお客さんはほぼ男性。一人ラーメンにさほど抵抗がない私も、ここは初めて入る。


「無性に食いたくなるんですよね、ここのラーメン。うわ、何食お」

ラーメン程度でこんなに嬉しそうにしてくれるなら、毎日連れてきてもいいくらいだ。チャーハンセットと餃子セットで真剣に悩む様子が微笑ましい。

「食べきれるんなら、チャーハンも餃子もどっちも頼めばいいよ」

「いいんですかっ?」

ワオンと鳴く幻聴が聞こえた。
いいとも、唐揚げでも煮玉子でも、この際全メニュー頼むがいい。


結局大輔くんはチャーハンセットに餃子を追加して、私は一番小さいサイズのラーメンを頼んだ。ここは並のサイズでさえ注意が必要だと、前に誰かが言っていたのを覚えていたからだ。
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