オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
希和side
京夜様のマンションに再び住み始めて早1週間。
毎日が楽しくて、自然と彼の姿を追ってしまう。
以前と比べて大きく変わったのは、
彼の眼差しが格段に優しくなった事と
壊れ物を扱うみたいにそーっと髪を撫でてくれるようになった。
それは、私と彼が恋人という関係になった事と
私の事を『女性』として見てくれているのだと良く分かる。
だから、私も……。
必然的に綺麗になる努力は怠らないようにしてるし、
彼に求められるような魅力的な女性になりたくて……。
日夜、暇さえあれば雑誌片手に奮闘し、
はたまたパソコンと睨めっこしながらメモを取る毎日。
そして、何より心強いのは……。
私には『朱夏』という美のカリスマがいる。
毎日のように、夜な夜なメールと電話で
お手入れの仕方から着こなしの術まで極意を教わり、
少しずつだけど進化を遂げている。
朝食も済ませ、リビングでまったり過ごそうかと思っていたら……。
突如、テーブルの上で震え出した彼の携帯。
私は無意識にそれを視界で捉えていた。