モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
〜注意報②〜

お勉強は大事なんです





保健室の先生の存在を忘れていたあたしに、わざわざ包帯を届けに席まで先生は来てくれた。



去るときになぜかあたしの顔を見て意味深にニヤッとしたのが引っかかったけど、それほど気にはしなかった。



なぜなら、さっき自分がひーくんに対して放った言葉が頭の中を駆け巡っているからだった。



何で言っちゃったんだろう。

しかも、さよならだなんて。

嫌いになったわけじゃないのに。



いや、でもこれで良かったのかもしれない。

だってあんな治るはずない遊び人が相手なんだもん。

あたしが扱えるわけない。



……そして、また「さようなら」まで言うほどじゃなかったんじゃないかって後悔して。



ひたすらそれを繰り返していた。



あたしの中には天邪鬼が存在していた。

自分の気持ちなのに全然コントロールできない。

ほんと厄介だ。



気持ちを整理できずにいるとあっという間に体育祭は終わり、紫チームは7チーム中4位というなんとも反応しづらい順位で終わった。



放課後はチームごとで打ち上げがあったけど、もちろんそこにひーくんたちの姿はなかった。




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