俺様専属メイド!?
顔を見せるな。
時間ピッタリ。
あたしは目を覚ます。
どこで寝ていても、どんな状況でもこの習慣は変わらない。
……のだけど。
「出れないぃ~」
昨日は藤井に抱きしめられたまま眠りについた。
朝になっても変わらず、あたしのことを強く抱きしめている。
まだ眠っているはずなのに、その力は強く抜け出せない。
早く出ないと、家に帰ってお弁当とか準備して戻ってこれない。
ここからあたしの家まで、走っても往復30分はかかる。
だから早く藤井の腕から抜け出さなきゃ。
そう思い、藤井の胸板を押して離れようとするけど、離れるどころか逆に抱きしめる力が強くなる。