Candy House

あんたのどれいのままでいい

――何か喉が渇いたな…。

あたしは目を開けた。

…あ。

あたし、部屋で目を覚ました。

いつもは漫画喫茶とかホテルで寝泊まりしていたから、久しぶりだ。

そんなことを思ったのと同時に、
「――水飲みたい…」

寝起きのせいで乾いた声で呟いて躰を起こそうとしたら、
「ん、んんっ?」

何故かあたしの横に長い脚があった。

同時に、あたしの脚が何かにガッチリと固められていることに気づいた。

胸には相変わらず上野さんの顔が埋まっている。

もしかしてとは思うけど、この長い脚の持ち主って…。
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