迷い羊に連れられて
Side*Kouichi
ついに明日が文化祭。
前日準備ということで授業はなく、生徒たちは一生懸命準備をしている。
俺と安藤先生はそんな生徒の姿を見守っている。
「普段は授業しているときかHRのときの生徒の姿しか見れないですし、いいですよね、こういう光景。」
独り言とも話しかけているともとれる口調で言葉にした。
「高校時代思い出すわ。お化け屋敷作るのにダンボール集めに必死で。そういう姿でも輝いてみえるものよね。今考えると。」
「羨ましいです。僕はあまり高校時代好きではなかったので。」
こういう行事に熱心な生徒が少なかったから、文化祭などもいまいち盛り上がらなかった。