3日限りのルームシェア

セクシーな男と無防備な女

「お風呂ありがとうー」
乾ききってない髪の毛、首にタオル
白いTシャツに霜降りのスウェットパンツの姿が
あまりにもかっこ良くて知香はソファーに座ったまま
樹の姿に見とれてしまった。
風呂上がりの男がこんなにかっこ良かったなんて・・・
いやいや・・樹だからかっこいいんだ。
しばし見つめているとばっちり目が合った。
その途端、知香は恥ずかしくなって目を逸らしてしまった。
樹はその仕草が初めて会った頃の知香と同じでなんだか
口元が緩んでしまった。
「・・・お水もらっていい?」
樹の声にハッと我に帰った。
「あっ!どうぞ冷蔵庫の中に入って・・・」と途中までいうと
知香は立ち上がった。
「いいよ。俺が取るから」
樹は冷蔵庫からペットボトルのミネラルウォーターを取り出し
これでいいかと知香に確認を取った。
知香は首を縦に振ったが樹の
その一つ一つの動きがあまりに色っぽくてまたもや固まってしまう。
もちろん水を飲む姿にもだ・・・

水を飲むたびに動く喉仏すら色っぽく見える。
だめだ・・・これ以上見てたらやばい。
こんなに男の人の一つ一つの動作をガン見するなんて
過去に付き合った男にもしなかったことだ。
・・・・まさか欲求不満?いやいやそうじゃない。
単に樹がイケメンだから・・・観賞用だからと自分に言い聞かせた。
そして気持ちを切り替え風呂に入ろうと立ち上がった。
「お風呂入ります。樹さんも今日は疲れてるのでゆっくりしてくださいね」
早口でいうと、逃げるようにお風呂場へ行った。
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