優しさに包まれて

素直になれない

車に乗り込むと

『どこか行きたいところは?』

部長の問いかけに

『どこでも…。』

ドキドキが止まらず、部長の顔を見ることができない私は、俯きながら答えた。

好きなのに顔を見れない…。

どうしよう。

『…。ちょっと急ぎすぎたかな?迷惑だった?』

『違いますっ。私、部長のこと…。』

運転中の部長の横顔を見つめたまま言ってしまい、何を言おうとしてるのかと、急に恥ずかしくなり、また俯いた。

『俺のこと…の後は何?続きは?』

部長の言葉にも返事することができず…。

それ以上、部長も何も言わなかった。


そのまま、2人とも何も話さず無言。 

しばらくして、部長が

『ごめん…。』

そう言って車を止めた。

そして、私の顔を見る。


『ごめん。今日は、2人で映画観てショッピングしてとか色々考えてたんだけど、無理だな。』

そう言って、ため息をつきながら部長は、車を出発させた。

しばらくして、部長が車を停めた。

『降りて。』

冷たい声で言われ、目に涙を溜めたまま車を降りた。
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