業務報告はキスのあとで

完全無欠(平岡side)




* * *




「───── 以上をもちまして、会議を終了します。」



という副社長の声が掛かり、皆が疎らに席を立つ。


俺も急いで席を立ち、ある場所に向かおうとしたところで


「平岡さん、流石っすね」


と、後ろから声がかかる。




この声は………



「あー…うん、まあね。」

「資料は無いし、バタバタしてたしで、もうどうなる事かと思ったんですけどね。」



そう、会議が始まるまで胡桃ちゃんを疑ってああだこうだと言っていた後輩。木村だ。


「まあ、俺にかかれば資料の1つや2つ無くてもどうってことないよ」


俺は歩くペースは少しも落とさずに余裕な笑みでそう答えた。

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