総長からの「愛してる」Ⅱ
総長が愛する女
《side 奏》
ガチャ
幹部室が開く音とともに、下の奴らの顔が変わる。
幼く可愛い未來を抱き上げても尚、廉からは変わらず放たれる、総長の威厳と真の強さのオーラ。
いつだってこの光景を見るたびに思う。
俺たちの総長は、廉しかいない。
「礼っ!!」
先頭のやつの合図で全員が頭を下げる。
廉は中央に立ち、それに対して頷いた。
「今日は全員に知ってほしいことがある。」
誰もが緊張を走らせる中、廉は続けて言った。
「お前らにはちゃんと紹介してねぇが、俺に守りてぇ奴がいるのは前に言った。」
みんなの視線は動かないが、それが廉の隣にいる美愛であることは周知しているだろう。