総長からの「愛してる」Ⅱ
暴走した暴走族
《side 海斗》
ゾクッ
丁度戦っていた相手を1人片付けたときに、突如感じた殺気。
慌てて入口を見れば、そこにはさっきまでいなかったはずの男が立っていた。
「鳥遊悠希……」
思わず呟けば、少し離れた所から舌打ちが聞こえた。
「スイッチを入れちまったのか?!」
そこには、美愛が “疾風” と呼んでいた男がいた。
第一印象でバカそうだ、と思ったやつだ。
そいつは俺を見て叫んだ。
「今すぐここから逃げろ!!」
「あ?!何言ってんだてめぇ!」
突然の思わぬ命令に、焦る。