私は彼に愛されているらしい2

4.手を繋ごう

「何だ?その結末。」

次の日の昼休み、今までお世話になった挨拶の流れから昨日の出来事を話すと開口一番に舞が吐き捨てた。

横を見ればみちるも瞬きを重ねて驚いているようだ。

驚きよりも面白がっている方が強い気もするが、その気持ちも分からなくないので有紗は苦笑いをした。

「あははは。…何とかまとまりました。」

「まあ笑うしかないだろうけどさ。」

「ねえ~…本当に、自分でもよく分からない行動です。」

「結局皆あんたに振り回されて終わったってことでしょうが!っとに!」

それに関しては返す言葉もない。

有紗はただ申し訳なく頭を掻いて受けとめるしかなかった。

確かに沢山の人を巻き込んで振り回した気がする。

友人にも相談したし仕事では大きなミスをした、嫌な空気も出していただろう。

我儘になって困らせた人もいた筈だ。

「色々とご迷惑をおかけしました。」

深々と下げる有紗の頭を見つめるも、舞は複雑な思いでため息を吐いた。

顔を上げて、そう言おうと口を開いたが横から出てきた手が気になって言葉を止める。

その手は下げたままの有紗の頭をさらに深く下げるように押さえつけた。

「えい。」

「ちょ…みちる!!?」

「迷惑料ですよ、舞さん。えいえい。」

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