Candy House

線香花火に3人で火をつける

約束の時間の10分前に、あたしはさくらさんのお店にきていた。

「こんにちわー」

ドアを開けたあたしに、
「すみません、今日はお休みで…あら、ノゾミちゃん」

入ってきたのがあたしだとわかると、さくらさんは冷蔵庫を閉めた。

「もうそんな時間になったの…って、ちょっと早くないかしら?」

壁にかけてある時計を見ながら言ったさくらさんに、
「今日はお店が早く終わったので…」

あたしは笑いながら言った。

「お店が早く終わった…あの2人ならありそうだわ」

さくらさんはやれやれと言うように息を吐いた。

「楽しみにしている2人を驚かせるためにも、私も頑張らなくっちゃ」

さくらさんはフンと息を吐いた。
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